Euroluce 2013 – 照明デザインの傾向を振り返る
もうすぐエウロルーチェ2015だなー、と思いつつ、前回開催(2013年)の写真や資料を見返しました。
2013年のサローネ。まずはNendoの大活躍、Moooiの秀逸なインテリアコーディネーションなどが思い出されます。この年に発表された照明製品の中では、マイケル・アナスタシアデスの静けさの漂うデザイン、アリック・レヴィのアート作品のようなペンダントなど、プロダクトとしての完成度が高く多様性あるアレンジが可能な照明が、その後の人気を集めてきたと感じています。
幸運なことにアナスタシアデスには、何度かインタビューをする機会がありました。彼はきらびやかなスターデザイナーのイメージとはほど遠い人で、新しい形態ではなくとも、「定番」となるデザインを模索しています。
一方で、アリック・レヴィのペンダントは、一目見て「こんなの無かったね、面白いじゃん」と思わせるデザインです。その黒くて細い電線と小さくシンプルな筒状の灯具とで構成されていますが、製品自体はプレイフルであり装飾的です(ちなみにこのペンダントは、現在ランピオナイオで手掛けているプロジェクトで提案しています!)。
アルテミデやダネーゼから発表された多彩な新製品の中にも面白いものがありましたが、約2年後となっては不思議と印象が薄れています。やっぱりフロスがいいとか、ヴィビアは近年頑張っているとかという事ではなく、時代が求めているというのか、今しっくりくる照明というものがあるように思えます。それは、現代の生活やマインドに寄り添うデザインです。照明のデザイントレンドとは、単にスタイルがラグジュアリーだとか、形はミニマルだとか、素材や色、仕上がどうのこうのではなく、もう少し長い時間の中で見極められてゆき、なお人々に求められつづけるかどうかと大いに関係がありそうです。
ランピオナイオでは、エウロルーチェへの調査取材を10年間継続していますが、これからも継続していきます。