イタリアから北欧まで, ヨーロッパの照明シーンの動向は?
さて、今日はちょっと最近の照明シーンのお話を。。。
ヨーロッパにおける照明デザインを見てみると、イタリア、ドイツ、北欧という地理的なグループで分類することもできます。デザイン性の高いイタリア。機能美を追求した建築的な照明を得意とするドイツ。優しい光の表情が心に染みる北欧。こんなイメージが浮かんできます。
元来、ヨーロッパには、規模はそんなに大きくはないけれど、独自の得意分野を持っているユニークな照明メーカーがたくさんあります。このような魅力的な企業をめぐって、企業買収も起ります。例えば、オランダのPhilips社は、ベルギーのModular社(2006年〜)やイタリアのLuceplan社(2010年〜)などのブランド力ある企業を傘下に置きました。また、2007年からイタリアのTargetti社が親会社だったデンマークのLouis Poulsen社は、2014年に以前のオーナーであったデンマークのPolarisグループのもとへと戻っています。一方で、そのような変化は無い企業も。Artemide社の創設者のジスモンディ氏やIngo Maurer社のマウラー氏はまだまだ力強く会社を牽引しています。Flos社は2代目のガンディーニ氏が円熟期を迎えています。Viabizzuno社やCatellani & Smith社の独自の展開にも興味はつきません。
デザイナーの観点から言えば、さまざまな国々出身のデザイナーたちがヨーロッパ各国の国境を超えてインターナショナルに活躍していますね。これはとても素敵なことです(EUの恩恵!?)。このように人とデザインがクロスロオーバーする状況を背景として、かつてのイメージを打ち破る作品が生まれてきています。イタリアのメーカーなのに北欧風とか、日本的なシンプリシティに大きな影響を受けた作風もあちこちでしばしば見られます。オランダやベルギー、フランスやスペイン、チェコ共和国など東欧の国々などからやってきた照明デザイン、ブルックリンのデザイナー達に代表されるアメリカからの新しい潮流の中にも印象的なものがあります。
さてさて、開催が近づいてきたエウロルーチェ2015 (Euroluce 2015)。
どんな動きが見られるでしょうか?
ランンピオナイオではそのアクティビティをレポートします!