Students shed light on neon, 香港の光公害
香港といえば…
道路に迫り出した多数の派手な広告ネオンが思い浮かびます。
アメリカ マサチューセッツからやってきた学生達(Worcester Polytecnic Institute)が行った、香港の「光公害」(照明の光が引き起こすさまざまな弊害のこと)に関するレポートが現地の新聞(South China Morning Post, 2010/3/1) で紹介されていました。
341人へのインタビューによると、そのうち13%が「光公害」のため引越しを考えており、また68%が住まいの周囲の照明が明るすぎるとの不満を口にしている。
特に問題なのは広告看板などを照らしているスポットライト。その光が窓から住居の中に入り込んでくる、なんてことも少なくないようだ。このような光は視覚能力を低下させたり、眩しさが原因となる目の緊張や疲労を引き起こす。暗幕カーテンで光を遮るくらいしか対処法が無いそう。
旺角(Mong Kok)地区ではイギリスの基準の9倍以上の明るさで広告が照らされているとのこと。ニューヨークでも広告灯が密集するエリアがあるが、そこには住居が混在していないので、香港のような問題はない。
周囲環境にきちんと配慮して、「光公害」を引き起こす余計な光を取り除くこと。そして正しい方向から、適当な量の光で照らすことがその解決策なのですが…
光公害委員会において研究が重ねられていて、近いうちに指針がまとめられるそうです。
水や空気と同じように、光にとっても公害はごめんです。
デザインでも料理でも、これでもかっ!と、どんどん要素を追加するのは容易いこと。
“引き算のおしゃれ”なんていう表現がかつてありました(今も健在?)が、不要なものをそぎ落として残るものこそ、本質かもしれません。
目に見える世界もそうあって欲しいものです。