「くっきり」ではない光と影
「自然光にはさまざまな表情があり、いつも照明デザインのお手本」と言ったのは、先輩の照明デザイナーだったでしょうか。
立秋を過ぎると、日差しとその光が作る影も「くっきり」ではなくなって、輪郭がぼやけてきます。
「くっきり」ではない光と影は、とりわけ印象に残っています。
ヨーロッパの照明器具(ダウンライト)が作り出した、じんわりとにじんでスムースに消え入る光にはとても感激しました。
秋の小旅行で出掛けた湖畔。キラキラとしていながら、少し弱々しい輝きが水面にはありました。
こんなことを思い出させてくれる光や影の表情。
その中には、秋という季節らしいノスタルジックな空気を作り出すエッセンスが入っているようです。